レクリエーションのネタ帳

買い物動作(ADL)のためのレクリエーション・生活リハビリ【デイサービス・高齢者施設】

投稿日:2018年4月2日 更新日:

リハビリやレクリエーションには目標設定が重要です。
でも、目標達成のためには、利用者さんのモチベーション(意欲・やる気・動機づけ)を上げていかなくてはいけません。
掲げた目標が大きすぎたら?
それが大きな壁となって利用者さんの前に立ちはだかります。
短期目標より中期目標より長期目標より、
まずこんなことから考えてみましょう!

ベイビーステップがないと人は諦めてしまう

ベイビーステップとは現在地から目標に向けて、段階的に小さなステップを踏んでいくこと

例えば、利用者さんにこんな目標があるとします。

「もう一度料理を作って子供に振る舞いたい」

この目標、病気やハンディキャップによって料理が出来なくなってしまった人には、高い目標かもしれません。

料理を作って子供に振る舞うには包丁を握る力もいるし、食材を切りそろえなければいけない。
火を使うための判断力もいるし、家族の協力も必要かもしれません。
こんなにたくさんやることがあると誰だってめげてしまいます。

「もう料理はあきらめる」

こんなふうに思ってしまうでしょう。

そこでベイビーステップで小さな一歩を踏み出す。

「ジャガイモの皮をむくこと」をベイビーステップに設定してみる。

できることをまずやってみることで、達成感を引き出します。

「私でもできそうかも」「もっと頑張りたい」

こんなふうにモチベーションが上がっていきます。
モチベーションが上がれば。目標達成に近づくことが出来る。

まずはベイビーステップ。

小さなステップからはじめていきましょう。

「買い物」のためのADLトレーニング・レクリエーション

今回のレクリエーションは、買い物動作のためのレクリエーションです。
「買い物に行きたい」という人はとても多いのですが、数年間買い物から遠ざかっている人が、いきなり「一人で買い物」に挑戦することは不可能に近いでしょう。
人は、大きな壁にぶつかるとあきらめてしまい、レクリエーションや体操へのやる気を失ってしまいます。

そこでまず、ベイビーステップ。

まずは、家庭や施設でもできるレクリエーションからはじめ、小さな成功体験を積み重ねていきましょう。
小さな成功体験が自己肯定感を高め、「もっとレクリエーションをしたい」「施設でリハビリを頑張りたい」といったモチベーションアップに繋がります。

まずは、買い物動作を細かく分解することから始めます

◆買いたいものを確認する
チラシで商品を確認 メニューに合わせて食材を組み合わせる 金銭管理
◆店まで向かう 
転倒なく店まで移動する 店までの経路を確認する(地図をよむ) 
◆商品を発見する
商品を探す 商品をかごに入れる 
◆会計をする
お金の計算 財布からお金を出す 商品を袋に詰め替える 

チラシで買い物体験【ADLレクリエーション・生活リハビリ】

目的・効果

店へ買い物に行くまでのシュミレーション 金銭管理 脳の活性化 

準備物

チラシ(広告) 献立を考える用紙 鉛筆 

事前準備

献立を考える用紙に、今日の献立・食材と値段・作り方などのキーワードを記載

方法

①今日料理をつくるならどんな献立がいいか考えてもらう
②献立は、どんな食材を使い、その食材はいくらなのか書いてもらう
③食材の金額を合計してもらう
④献立のレシピを書いてもらう

POINT

実際にスーパーに買い物へ行くことはハードルが高いですが、買い物動作の最初のステップとして行えます。
買い物や料理から離れていた人も、「またやりたい」といった意欲を引き出すことが出来ます。
計算問題や作り方を考えることで、脳トレとしても活用できます。

 

自宅からスーパーまでの道のりを考えよう【ADLレクリエーション・生活リハビリ】 

目的・効果

店へ買い物に行くまでの道のり確認 危険個所の把握 脳の活性化 

準備物

地図 鉛筆 

事前準備

自宅周辺の地図コピーまたは、GoogleMapを印刷

方法

①地図に自宅からスーパーまでの道のりを書いてもらう
②目印になりそうな建物を確認する(病院・コンビニ・スナックなど)
③危ない個所はどこか確認する(転倒しそうな場所・交通量の多い交差点など)
④「ここにスナックがありますよね」「この交差点は事故が多いです」など質問しながら会話を広げていく。

POINT

道のりを確認すると、細い道や転倒の危険がある道、車の交通量が多い道など、今の心身状態でどの部分が不安なのか、現時点での課題がみえてくる
危険個所のチェックが出来るので、転倒などのリスクを減らすことができます。

フロア中のカラーボールを探せ【ADLレクリエーション・生活リハビリ】

目的・効果

店での買い物場面を想定したリハレク 転倒予防 

準備物

買い物かご シルバーカー カラーボール 

事前準備

ショッピングカートの代用として、シルバーカーに買い物かごを乗せる

方法

①カラーボールをフロア中(ソファーの上、机の上、窓など)に置く
②カラーボールを探し、買い物かごに入れる

POINT

転倒の危険がある「商品を手に取り、かごに入れる動き」を施設で練習することが出来ます。
タイムアタック形式や対戦形式 (ボールを多くとったほうが勝ち)なども盛り上がります。

 

  • この記事を書いた人
funseed

介護エンターテイナー石田竜生

作業療法士 ケアマネジャー 芸人 リハビリの国家資格である作業療法士として介護施設(デイケア)で働きながら、大阪よしもとの養成所に通い、フリーのお笑い芸人・舞台俳優の活動を続けている。芸人・舞台俳優活動で培った技術を生かして、一般社団法人介護エンタ―テイメント協会を設立。『人生のラストに「笑い」と「生きがい」を』をモットーに、『介護エンターテイナー』と名乗り活動している。 リハビリ体操に笑いの体操、エンタメ性いっぱいのアクティビティなどを取り入れ、介護現場を『笑い』でいっぱいにするために、日本全国でボランティアやセミナー、講演会講師活動中。開催したボランティアは、のべ150ヶ所を超える。 『介護×笑い』に関する取り組みへの注目度は高く、多くのメディアから執筆・出演の実績がある。 登録者40000人以上 総再生数900万回以上の YouTubeチャンネルは中高年や介護・医療職から絶大な支持を得ている。【介護エンタ―テイメントチャンネル】で検索!

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